解説:置換効果

置換効果とは

はじめに

デュエマの最難関ルールの1つがこれ。置換効果。
しかしこれはコツさえ掴んでしまえばさほど難しいものではありません。

また置換効果は大変重要なルール、手続きですので、本稿に出会ったのを機に是非とも正しいルールを覚えてデュエルを楽しみましょう。

なんて読むの?

読みは、
「おきかえこうか」「ちかんこうか」
のどちらでも正解ですが比較的よく使われるのは前者です。
(私は「おきかえこうか」をオススメしています。)

本当に重要なルール

置換効果の適用の仕方や処理の手順を理解していないと、ゲーム進行がまるで正しくない形になってしまうほど影響が大きいものです。
またこのタイプの能力を持つカードもそれなりにあります。

3つの能力

クリーチャーなどが保有する能力は大別して3種が存在します。
ここで取り扱うのはあくまで「置換効果」ですが、どのような種類のものがあるのかだけ確認してみましょう。

トリガー能力

このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、カードを1枚、自分の墓地からマナゾーンに置く。
このように何かを契機とするものが「トリガー能力」です。
トリガーとは訳すと「引き金」であり、上記例では「クリーチャーがバトルゾーンに出た時」という契機を引き金に「カードを1枚、自分の墓地からマナゾーンに置く」という能力を発動します。

常在型能力

バトルゾーンにある相手のクリーチャーすべてのパワーは-1000される。(パワー0以下のクリーチャーは破壊される)
常在型能力は契機を必要としません。
常在という言葉が示すとおり、それが有効なゾーンに存在する限り効果を発揮し続けます。
ですので常在型能力の場合はカードに契機は記されず、その効果のみが列挙されます。
上記例ですとこのカードが有効な間は「相手のクリーチャーすべてのパワーは-10000」され続けます。

置換効果

このクリーチャーがバトルする時、バトルするかわりにその相手クリーチャーを破壊する
本稿で取り上げる置換効果。
これはカードに記載されている所定の事象が発生した際にそれを行わず、かわりに別の事を行う処理を指します。
上の処理ではこのクリーチャーがバトルする時実際にはそれを行わずに、かわりに相手のクリーチャーを破壊するという置換効果になっています。

上の「実際にそれを行わず」という箇所がポイントで、それこそが「置換」と呼ばれる所以です。
〇〇する代わりに△△するのです。

置換効果の大原則

デュエマにおける置換効果の大原則が2つあります。
この原則はしっかり抑えましょう。

1つ目の大原則

効果の処理中でも置換効果は割り込んで処理される

例えば1枚の呪文の効果で、
■相手の手札を全て捨てる。
■相手のクリーチャーを全て破壊する。
という2つの効果があった場合、これは上から順番に処理していきますが、
初めの「手札を全て捨てる」効果で、

《一なる部隊 イワシン》のような「トリガー能力」が起動してもこれは、呪文の2つ目の効果「クリーチャーを全て破壊」の処理が全て終わるまでこれは処理できません。
しかし決して効果がなくなってしまったわけではなく、これは一旦処理待ちの状態になって待機し、呪文の効果が全ての終わるのを待って《イワシン》の能力を使用します。

しかしこれが《夜露死苦 キャロル》の下記のような置換効果では処理が異なります。
このクリーチャーがどこからでも自分の墓地に置かれる時、自分のマナゾーンに火と水の文明があれば、このクリーチャーを墓地に置くかわりに自分の手札に戻す。
青字で示した部分が置換効果に当たる記述。
「墓地に置く代わりに〇〇」なので、これは置換効果です。

この効果を処理する時は、先程の《イワシン》のような「トリガー能力」ではないので、呪文の処理が全て終わるのを待たず、このカードが捨てられた瞬間に置換効果を適用して手札に戻すようにします。

このように置換処理は何らかの処理の途中であっても、割り込んで解決されるという事を
心に留めておいてください。
この時に手札に戻った《キャロル》は呪文の「手札を全て捨てる」に従ってもう1度捨てる必要はありません。
(もう1度捨ててしまったら、また置換効果で手札に戻り永久ループになります)
「全て捨てる」は詠唱した時点で手札にあったカードを全て捨てるという意味で、《ドギラゴールデン》の攻撃できない効果が、今いるクリーチャーにしか効果が適用されないのと似ていますね。

2つ目の大原則

1つのイベントに対して置換効果は1つしか適用できない

例えば下記の2つの置換効果が有効だとします。
■カードを引く時、手札に加えるかわりにそのカードを捨てる。
■カードを捨てる時、捨てるかわりに山札の一番下に置く。
冒頭で「置換効果は1つしか適用できない」といいましたが、これは言い換えると「置換効果は連鎖しない」と表現することも出来ます。

ちなみに置換効果が連鎖するとこのような感じになります。(実際には間違った処理です)
■カードを引く時、手札に加えるかわりにそのカードを捨てるかわりに山札の一番下に置く。
青文字部が処理を置換えている部分です。
もうお分かりになられているとは思いますが、複数の置換効果が適用された文は非常に珍妙になっており異様です。

この場合、置換効果は1つしか適用できないという原則に沿い正しくは、
■カードを引く時、手札に加えるかわりにそのカードを捨てる。
だけが適用されるのが正解です。

置換効果の処理順序

物語にそって置き換えは適用される

ほぼ全ての処理はターンプレイヤー、非ターンプレイヤーの順で処理します。
置換効果も多分に漏れないのですが、それよりもむしろ、
事象の文脈に沿って前後の齟齬が生じないように適切な順で置き換えを適用していく、というニュアンスで捉えた方が理解が易しいです。

ターンプレイヤーがBをCに置き換える能力。
非ターンプレイヤーがAをBに置き換える能力。

処理順は原則としてターンプレイヤーが優先だけど、例えばここでAという事象が発生した場合は非ターンプレイヤーの「AをBに置き換える能力」が発動する。

AがBに置き換わった、つまりBが出てきたんだからターンプレイヤーの「BをCに置き換える能力」が「ターンプレイヤーだから」優先されるんじゃないんの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それは非ターンプレイヤーが置き換えたから発生した事象であって、それがなければそもそもきっかけすら生まれていません。
結果、置換効果は連鎖しないの原則も加味し、処理される能力は非ターンプレイヤーの「AをBに置き換える能力」のみ、ということになります。

同一のイベントで複数の置換が発生した場合

同一のイベントに複数の(両プレイヤーとも)置換効果が発生した場合はターンプレイヤーが優先されます。

例えば《恐気の覚醒者ランブル・レクター》が持っている、
このクリーチャーがバトルする時、バトルするかわりにその相手クリーチャーを破壊する。
このバトル置換効果。
《ランブル》同士でバトルを行うと、ターンプレイヤー側の置換効果が優先されて結果、バトルは行われず非ターンプレイヤーの《ランブル》が破壊されます。

置換能力でもイベントが完全にバッティングした場合はターンプレイヤーが優先される、とお覚えください。

置換効果のその他注意点

表記の揺れ

置換効果は1通りの表現ではなく概ね下記4通りの表記があります。
文言に多少の違いはありますが、どれも置換効果となります。
◯◯する時、かわりに△△する
◯◯する時、◯◯するかわりに△△する
◯◯する時、□□するかわりに△△する
◯◯する時、△△する

その事象は発生していない

例えば次のような2つの能力があるとします。
■このクリーチャーと相手クリーチャーとでバトルする時、カードを1枚引く。
■このクリーチャーが攻撃された時、バトルするかわりにその攻撃を中止する。
前者はクリーチャーとバトルする時に起動する「トリガー能力」、
後者は攻撃された時に、かわりに攻撃中止する「置換効果」。

相手クリーチャーを攻撃しつつカードを引けるお得能力を保持する前者ですが、後者で置換効果で攻撃を中止された場合はどうなるでしょう?

答えは「バトルが置き換わり攻撃が中止されたので前者はカードを引けない」が正解です。
「バトル」そのものが「中止」に置き換わることにより、バトルという事象が発生すらしていないのと解釈されますので、前者のカードドロー能力は起動できません。

最後に

置換効果はデュエマの中では難しいルールの1つですが、頻度もやや高い処理なので是非理解しておきたいですね。
コツさえ掴んでしまえばそこまで難しくはありません。
徐々になれていきましょう。



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