解説:マッハファイター

 

マッハファイターとは

はじめに

マッハファイターとは2018年3月にリリースされた双極編(ツインパクト・シリーズ)第1弾で初登場したキーワード能力です。
この能力を持つクリーチャーは、バトルゾーンに出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃することが出来ます。

どのクリーチャーがこの能力を持ってるの?

マッハファイターを持ったクリーチャーは全て双極編以降に登場するグランセクトという自然の種族になります。
カードの能力に「マッハファイター」と記載されているものがそれにあたります。

ポイント1:火文明以外ですぐに攻撃出来る!

これまで自然文明のクリーチャーは召喚酔いのため、(進化クリーチャーでない限り)すぐに攻撃を行うことが出来ませんでした。
バトルゾーンに出たターンに直ぐ攻撃を行えうことが出来る能力「スピードアタッカー」は火文明のものなので、自然文明に限らず火文明以外(例外あり)のクリーチャーはバトルゾーンに出たターンは攻撃出来ず、次の自分のターンまで相手の除去に怯えながら眠れない召喚酔いの夜を過ごす必要があったのです。

ところがマッハファイターはどうでしょう。
この能力を保持するクリーチャーはバトルゾーンに出たターンに召喚酔いしているのはこれまでと変わりませんが、なんとその状態のままこの能力で攻撃を行うことが出来るのです。

ただし、注意点が2つあります。
1つはマッハファイターで攻撃対象に選べるのは「相手のクリーチャーのみ」という事です、プレイヤーには攻撃出来ないことに注意してください。
もう1つは「マッハファイター」が有効なのはバトルゾーンに出たターンのみという事です。
後者は次のポイント2でその重要性がわかります。

ポイント2:いきなりどれでもぶん殴れる!

この能力を持っているクリーチャーはバトルゾーンに出たターンに限り、相手のクリーチャーのタップ・アンタップ状態に依らず攻撃目標として選択できるのです。

相手クリーチャーがタップだろうがアンタップだろうが攻撃できるのはとても魅力です。
これはいわゆる「アンタップキラー」に近い能力になるのですが、これまでこの能力を保持しているクリーチャーはパワーが小さかったりコストが高かったりと実用性、速攻性には欠けていました。

ポイント1でも述べましたが、「マッハファイター」はこの能力を保持しているクリーチャーがバトルゾーンに出たターンのみ有効です。
次ターン以降はアンタップ状態のクリーチャーへの攻撃は出来ず、通常のクリーチャーと同じになります。

さらに繰り返します。
マッハファイターの能力ではバトルゾーンに出たターンに相手プレイヤーを攻撃出来ないことに注意してください。あくまでクリーチャーだけです。

どんなデッキに合うの?

グランセクトの種族デッキにはもちろんのこと、各種バスターやバイクなどのコストを踏み倒すデッキへも搭載されることが予想されます。
かなり強力なキーワード能力なので序中盤で猛威を振るうことが予想されます。
またアタックトリガーを使って初めて生きてくるカードには完全に逆風です。
何とかして追い風に変える工夫を考えなければなりません。

こんな場合はどうなるの?

マッハファイターのクリーチャーにスピードアタッカーを付けてバトルゾーンに出す
この場合は、相手プレイヤーへの攻撃が可能で、バトルゾーンに出たターンはタップまたはアンタップしているクリーチャーへの攻撃も可能となります。
マッハファイターのクリーチャーがバトルゾーンに出たターンに相手プレイヤーへの攻撃が出来ない理由は「召喚酔い」をしているからで、スピードアタッカーを付けて召喚酔いをしないようにしてやれば、その制約はなくなります。

「攻撃されない」とあるクリーチャーも攻撃できる?
出来ません。
「攻撃できる」と「攻撃できない」などの相反する能力の場合は、否定文が常に優先されます。
肯定と否定の関係は他のケースでも同様で、基本ルールに記載されている大前提になります。

”オニカマ”キラー《ワ・タンポーポ・タンク》

名前 :ワ・タンポーポ・タンク
タイプ:クリーチャー
文明 :自然
パワー:2000
コスト:3
種族 :グランセクト
■マッハファイター(このクリーチャーは、バトルゾーンに出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる)
■このクリーチャーが破壊される時、墓地に置く代わりに自分のマナゾーンに置く。


序盤のマナブースト兼コントロールクリーチャー《ワ・タンポーポ・タンク》です。

《ワ・タンポーポ・タンク》はマッハファイターにより相手のタップ状態によらず攻撃を仕掛けることができるので、新弾の一番隊サイクルや《異端流し オニカマス》を相打ちで破壊できます。

しかも自身は置換効果でマナゾーンに行くので全く無駄がありません。
それどころか序盤に出すべきシステムクリーチャーはもはや《ワ・タンポーポ・タンク》専用の「マナの餌」にしかならず、これだと出し損になってしまうのでデッキの大幅な見直しか、あるいはプレイング大きな変更が必要になるかもしれません。

またバトルゾーンに着地しているので《DG 〜裁キノ刻〜》のマナブーストの制約に引っかからないのも利点です。
これによりブーストを採用しないデッキにおけるブーストメタとしての《DG 〜裁キノ刻〜》は居場所を失くすので、複数体が鎮座した場合の恩恵はグランセクトの高いパワーとマッハファイターの能力とで計り知れないものになります。

墓地流し オニカマス

これまでアンタッチャブルを持った《異端流し オニカマス》の除去方法は、「全体効果」と「クイックスパークなどで全体をタップさせてバトル」、そして少数の「相手に選ばせて破壊」が主流でしたが、ここに「マッハファイターで普通に殴る」という選択肢が生まれ、オニカマスの堅牢さに翳りが見えてきました。
この《ワ・タンポーポ・タンク》であれば、《異端流し オニカマス》を殴り倒した上にマナブーストを行え一石二鳥です。

余談ファイター

「マッハファイター(このクリーチャーは、バトルゾーンに出たターンの間、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる)」
これがマッハファイターの公式な能力のテキストです。
ちょっと奇妙な感覚の表現があります。
「タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる」とありますが、じゃあどれを攻撃出来ないんだと思われるかもしれません。
これは恐らく下記のような誤りを防ぐために、あえてこう書かざるを得なかったんだと思います。

「相手クリーチャーを攻撃できる」
こう書くと普通はタップ状態のクリーチャーを攻撃できる能力だと認識します。
相手クリーチャーはタップされているものしか攻撃目標に選べないというルールをほとんどのプレイヤーが理解しているので、単に「攻撃できる」だけ書くと「なるほど、マッハファイターは出たターンにタップしているクリーチャーを攻撃出来るのか」と判断されます。
基本ルールでそう決められているのでその考えに至るのはごく自然なのですが、では「そう思われないようにするにはどうすればよいか」と思慮した結果、「選べる対象を列挙する」という結論に辿り着いたのだと思います。

ちなみに「相手の全てのクリーチャーを攻撃できる」と記載すると、1000%の確率でキッズが「全体攻撃!すげぇ!」と勘違いするでしょう。
言葉って難しいですね。

最後に

マッハファイターは攻撃も勿論のこと、バトルゾーンの制圧にも大変向いています。
本稿では《ワ・タンポーポ・タンク》しか紹介しませんでしたが、この能力を持ったクリーチャーにはかなりの能力・パワーを持ったものが相当数存在します。
2018年度の始まりを告げるマッハファイターはこれからどのように活躍していくのでしょうか。
その動向に注目が集まります。



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