#06 パワーがデカけりゃそりゃ偉い(後編)
そうして手札から繰り出されたものは・・・・イエ~イ!
《バーバーパパ》!!
JOE2(Jokers Over Explode 2)を使用して2マナを軽減し5マナで召喚。
少年これに胸をなでおろす。
《バーバーパパ》ではどうやっても《偽りの名 13》を退場させることは出来ない。
「プレイヤーに攻撃」
「バトルは?」
《バーバーパパ》は攻撃時に相手クリーチャーを1体選びバトルする能力を持っている。
「攻撃」
「バトルは強制じゃないの?」
任意である。
「攻撃」
「バトルすると今ならお得だよ?」
少年にお得である。
「攻撃」
「しかたないなー、どれ?」
何一つ仕方なくないが、残り3枚のシールドのうちW・ブレイクで両端を選ぶ。
S・トリガーはなし。
どうも少年はデュエマのことを「ワールド・ブレイカー」を出せば勝利するゲームかなにかと勘違いしているのではないだろうか、どう考えても状況は少年の圧倒的不利なハズなのに余裕を見せている。
いやいや、さすがにそこまであれではないはずだ。
とすれば手札にスピードアタッカー持ちのクリーチャーを握っている可能性が大。
次のターンで倒しきれる自信があるのだろう。
しかし私のシールドはまだ全て残っている。
そして私のジョーカーズは・・・・
そして待ちに待った少年6ターン目。
凄い勢いでマナをアンタップ、ドロー&チャージ、そしてまたタップしていく。
1!2!3!4ッ!5ッ!6ッ!7ッ!8ッッッ!
勢いよくバトルゾーンにカードを繰り出し、ゆっくりと手を離していく・・・・
まさか・・・・
やっぱりお前か。
現れたのは、先日の「火単速攻」という名の鈍足デッキのキーカードを務めていたグレンモルト氏(Q・ブレイカー)であった。
「5まーい、4まーい、まもれなーい」
それぞれの自分のクリーチャーを指さしながら何か戯言を言っている。
問)S・トリガーって知ってますか?少年はここぞとばかりに《偽りの名 13》をタップし、高らかに宣言する。
知ってる
>勝ちたい
「ダイレクトアタック!」
・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
「・・・落ち着け、まだシールドは5枚もある」
「ああ、間違えた、ワールドブレイク!!」
全てのシールドを集めカードをチェックする。
「来るな来るな来るな来るな来るな・・・・」
「えー・・・これと・・・」ペタン・・・
「セーフ!」
「これと・・・」パラリ・・・
「セーフッ!!!」
「これだね」ポロリン・・・
「・・・・・あ」
問)S・トリガーって知ってますか?
知ってる
勝ちたい
>体験学習した [NEW!]
「さぁ、選んでくれよ、パワーが1番小さいクリーチャーを」
パワーがデカけりゃそりゃ偉い。
なにせ《ハクション・マスク》で選ばれにくくなる。
「これ・・・かな・・・?」
「それ一番大きい」
パワーがデカけりゃそりゃ偉い。
なにせほとんどのバトルで負けにくくなる。
少年はダイレクトアタックを担当する予定であったグレンモルトを手に取り、ほとんど泣きそうな顔をする。
「これ・・・・・・」
パワーがデカけりゃそりゃ偉い。
揺れる声でそう告げ、手にしたグレンモルトを、大事そうに、墓地に置く。
「ターンエンド・・・」
1分にも満たない時間で少年は感情をジェットコースターさせた。
我々にはもうそんな事は出来ないのかもしれない、この少年と同じようには。
我々にはもうそんな事は出来ないのかもしれない、この少年と同じようには。
そして返しのターン、《ジョリー・ザ・ジョニー》にエクストラウィンを決められ、少年は惜しくも、敗北した。
「出しとくべきだった・・・ちくしょう・・・・・ぅぅ・・・」
The way to "The Master of Deck Building" is far ...
今回の教訓
出せないカードはパワー0
いかに強力なパワーを持っていたとしてもバトルゾーンに出せないのであればパワー0と同じである。
そしてそのパワーもバトルかパワー参照能力が発動しない限りあまり意味はない。
そしてそのパワーもバトルかパワー参照能力が発動しない限りあまり意味はない。
決め手はワールドブレイカー
ワールドブレイカーは強い。大変お強い。
あまりに強すぎてS・トリガーが大挙して押し寄せてくるほど。
先人の言葉には重みがあるがそれがいつでもそうだとは限らない。
やはり特定の物ごとに囚われ過ぎず、場面場面に応じた身の振り方が必要なのであろう。
そのような場合は熟慮の上、早い段階で撤退する勇気も必要だ。
あまりに強すぎてS・トリガーが大挙して押し寄せてくるほど。
大は小を兼ねない、逆もまた然り
ことカードゲームにおいては大は大であり小は小なのである。先人の言葉には重みがあるがそれがいつでもそうだとは限らない。
やはり特定の物ごとに囚われ過ぎず、場面場面に応じた身の振り方が必要なのであろう。
そのような場合は熟慮の上、早い段階で撤退する勇気も必要だ。
矛盾と羨望と後悔、そして幾何かの享楽の中で人生は続いていく。
今回の一枚
名前 :ハクション・マスク
タイプ:クリーチャー
文明 :ゼロ
パワー:3000
コスト:5
種族 :ジョーカーズ
■S・トリガー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手はバトルゾーンにある自身の、パワーが一番小さいクリーチャーを1体選び、破壊する。
少年が最後の最後にひっくり返されたS・トリガー持ちのクリーチャー。
「バトルゾーンに出た時、相手はバトルゾーンにある自身の、パワーが一番小さいクリーチャーを1体選び、破壊する。」という能力で、相手の場に1体しかクリーチャーがいない場合は確実にそれを破壊することが出来る。
≪#05 パワーがデカけりゃそりゃ偉い(前編)
この物語は実話をもとに構成されているフィクションです
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